神奈川県・藤沢市の弁護士吉田法律税務総合事務所

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何から始めればよい?

何から始めればよい?

相続に関する手続きは複雑かつ多岐にわたり、必要な手続き全てをご紹介することはできませんが、相続開始後にとりあえず行うべき作業についてご紹介します(以下の記載は遺産分割について相続人間で争いがないケースを前提としています)。

1相続財産の把握

まずは、相続財産の内容を把握することから始める必要があります。財産の内容としては、おおざっぱに分類すると次のものがあります。

・預貯金
・有価証券
・不動産
・負債
・その他

この中で、特に注意しなければならないのが、負債があるケースです。相続財産の中に負債(借金)が存在する場合(亡くなられた方の借金も、当然相続の対象です)は、速やかに相続財産の内容を把握する必要があります。相続するプラスの財産よりもマイナスの財産(負債)の方が多い場合には、そのまま相続してしまうと借金を背負い込むことになり兼ねません。そこで、負債の方が上回る場合には、相続の放棄を検討する必要があります。相続放棄の手続きは、手続きできる期間が法律で定められており、原則として相続人が相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。そのため、相続が開始したら、速やかに相続財産の内容を把握し、相続放棄をすべきかどうかを判断しなければなりません。財産の検討の結果、相続の放棄をする必要がある場合、放棄をした方が良いのかどうか判断に迷う場合には、速やかに専門家に相談するか、家庭裁判所に問い合わせる必要があります。

上記とは反対に、相続財産がそれなりに存在し、相続税の申告が必要となる可能性があるケースの場合も注意が必要です。相続税の申告期限は相続の開始の日(亡くなった日)から10ヵ月以内と定められており、相続税の申告の準備にはそれなりの時間を要するため、早めに財産の内容を把握する必要があります。

●相続税の申告が必要か否かの判断の目安はこちら→よくあるご質問「質問9」参照

2戸籍謄本等の取り寄せ

相続財産の内容の確認が終わったら(または財産の確認と平行して)、次に戸籍謄本等の取り寄せを行うと良いと思います。預貯金の引き出し、有価証券等の名義書換、不動産の登記名義の書換等、相続に関連するあらゆる手続きにおいて、以下に記載する戸籍謄本等の一式が必要になってきます。

・亡くなられた方の最後の戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本(抄本)
・亡くなられた方の出生までの戸籍謄本
※その他、住民票、戸籍の附票、印鑑証明書等も必要になります。

これらは、本籍地の市役所(東京都や政令市の場合は区役所)で取得します。

亡くなられた方の最後の戸籍謄本について

最初から相続の手続きを専門家に依頼する予定の方でも、相談に行く前にとりあえずこの亡くなられた方の戸籍謄本だけは最低限取得しておくことをおすすめします。相続手続きの処理の依頼を受けた専門家にとっても業務のとっかかりになるからです。

相続人全員の戸籍謄本(抄本)について

上記の亡くなられた方と同一の戸籍に入っている場合は、重ねて取得する必要はありません。

亡くなられた方の出生までの戸籍謄本について

取得にもっとも労力を要するのがこれです。現在(最後の)戸籍から遡って、亡くなられた方が記載されたことのある全ての戸籍謄本を取得する必要があります。途中で転籍されていれば転籍前の戸籍も必要ですし、民法の改正に併せて戸籍も作り直していますので、その作り直す前の戸籍謄本(これを改正原戸籍といいます)も必要となります。これらの戸籍を新しいものから古いものへ1通1通遡って集める作業を行って、生まれた時点で入った戸籍謄本まで集めていくことになります。多い人で10通以上必要なケースもあり、また集める手間がかかることもそうですが、戸籍に記載されている事項を読み解くことも一般の方では苦労することも多く、慣れた者でないと大変な時間と労力を要する作業となります。

このように戸籍等の収集の作業は、一般の方が自分で行おうとすると相当な労力を要します。そこで、この作業に着手する前に相続の手続きをどのように進めて行くか専門家に相談するケースがほとんどだと思われます。